Youtube配信準備、Raspberry Pi 5へOBSインストール
Youtube配信をやってみようかと思い、4K対応WEBカメラを購入。割安なYoutube配信環境を作ってみました。
Raspberry Pi 5にOBS(Open Broadcaster Software)をインストールし、ストリーミング環境を構築するまでの手順をまとめました。
初心者の方でもわかりやすいように、課題とその解決方法を具体的に記載しています。
環境
4KWEBカメラ:DEPSTECH社DW49
デバイス :Raspberry Pi 5
OS:Raspberry Pi OS(Debianベース)
1. 背景
OBSは、ストリーミングや画面キャプチャに広く利用されているソフトウェアです。しかし、(よくある話ですが)Raspberry Pi 5では公式サポートが十分でないため、インストール時にさまざまな課題が発生しました。
2. 手順
2.1 必要なパッケージのインストール
まず、OBSのビルドに必要な依存パッケージをインストールします。
sudo apt update
sudo apt install -y build-essential cmake git pkg-config libx11-dev \
libgl1-mesa-dev libfreetype6-dev libx264-dev libvpx-dev libpulse-dev \
swig libqt5x11extras5-dev qtbase5-dev qttools5-dev-tools \
libudev-dev libcurl4-openssl-dev libxcb-shm0-dev \
libxcb-xinerama0-dev libxcb-randr0-dev libxcb-composite0-dev \
libxcomposite-dev libxinerama-dev python3-dev python3-pip \
libssl-dev libgstreamer1.0-dev libgstreamer-plugins-base1.0-dev
2.2 Mesaドライバのビルドと更新
Raspberry Pi 5には新しいGPU(V3D 7.1)が搭載されており、Mesaドライバの更新が必要です。
手順
最新のMesaソースコードをGitHubから取得
git clone https://gitlab.freedesktop.org/mesa/mesa.git
cd mesa
必要なツールをインストール
sudo apt install -y meson ninja-build
Mesaをビルド
meson setup build –prefix=/usr -Dplatforms=x11 -Dgallium-drivers=v3d,kmsro -Dglx=dri
meson compile -C build
sudo meson install -C build
再起動して適用
sudo reboot
2.3 OBSのビルドとインストール
手順
OBSのソースコードをGitHubから取得
git clone –recursive https://github.com/obsproject/obs-studio.git
cd obs-studio
ビルドディレクトリを作成
mkdir build && cd build
CMakeを使ってビルド構成を設定
cmake -DUNIX_STRUCTURE=1 -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release ..
コンパイル
make -j$(nproc)
sudo make install
OBSを起動
obs
3. 主な課題とその解決方法
3.1 CMakeのバージョン不足
問題:OBSのビルドに必要なCMakeのバージョンが不足していました。
解決:以下の手順でCMakeを手動でアップグレードしました。
wget https://cmake.org/files/v3.28/cmake-3.28.0.tar.gz
tar -xvf cmake-3.28.0.tar.gz
cd cmake-3.28.0
./bootstrap && make -j$(nproc) && sudo make install
3.2 Mesaドライバの更新
問題:Raspberry Pi 5のGPU(V3D 7.1)に対応するMesaドライバが古いため、OBSの起動時にエラーが発生しました。
解決:Mesaの最新版をビルド・インストールして問題を解決しました。
3.3 vc4-kms-v3d オーバーレイのエラー
問題:dtoverlay=vc4-kms-v3d がRaspberry Pi 5ではサポートされておらず、起動時にエラーが発生しました。
解決:/boot/config.txt を編集し、以下をコメントアウトしました。
#dtoverlay=vc4-kms-v3d
4. 結果
これらの手順を経て、Raspberry Pi 5でOBSを正常に動作させることができました。YouTubeやTwitchなどでのストリーミングがスムーズに行えます。
5. 注意点
この記事で使用した手順は、Raspberry Pi 5の特性に依存しているため、他のモデルでは動作しない可能性があります。
必要に応じて、公式ドキュメントやフォーラムを確認してください。
まとめ
Raspberry Pi 5にOBSをインストールする過程では、GPUドライバや依存パッケージの問題など、多くの課題がありました。
しかし、適切な手順を踏むことで、ストリーミング環境を構築できました。この記事が同じ課題に取り組む方の助けになれば幸いです。
色々と調べた結果、Raspberry Pi 4であったハードウェアエンコーダーの実装はなく、高性能化したCPUによるソフトエンコーダー処理となりチューニングが必要なようです。
続.OBSの使い方
① OBSを起動し、映像ソースを追加
ソース → 映像キャプチャデバイス を選択
デバイス で接続したカメラを選択
解像度 や フレームレート を適宜調整
② 音声の追加(必要に応じて)
マイクを接続し、ソース → 音声入力キャプチャ を追加すれば、音声も記録できます。
③ 録画とストリーミングの設定
OBSの [設定] → [出力] で録画フォーマットや画質を調整し、録画を開始します。
ライブ動画例
・ソフトウェアエンコーダー:x264
・ビットレート10000kbps
・30fps
・解像度:1280☓720