Youtube配信準備、Raspberry Pi 5へOBSインストール

2025年3月21日

Youtube配信をやってみようかと思い、4K対応WEBカメラを購入。割安なYoutube配信環境を作ってみました。
Raspberry Pi 5にOBS(Open Broadcaster Software)をインストールし、ストリーミング環境を構築するまでの手順をまとめました。
初心者の方でもわかりやすいように、課題とその解決方法を具体的に記載しています。


環境
4KWEBカメラ:DEPSTECH社DW49
デバイス   :Raspberry Pi 5
OS:Raspberry Pi OS(Debianベース)

1. 背景
OBSは、ストリーミングや画面キャプチャに広く利用されているソフトウェアです。しかし、(よくある話ですが)Raspberry Pi 5では公式サポートが十分でないため、インストール時にさまざまな課題が発生しました。

2. 手順
2.1 必要なパッケージのインストール
まず、OBSのビルドに必要な依存パッケージをインストールします。

sudo apt update
sudo apt install -y build-essential cmake git pkg-config libx11-dev \
libgl1-mesa-dev libfreetype6-dev libx264-dev libvpx-dev libpulse-dev \
swig libqt5x11extras5-dev qtbase5-dev qttools5-dev-tools \
libudev-dev libcurl4-openssl-dev libxcb-shm0-dev \
libxcb-xinerama0-dev libxcb-randr0-dev libxcb-composite0-dev \
libxcomposite-dev libxinerama-dev python3-dev python3-pip \
libssl-dev libgstreamer1.0-dev libgstreamer-plugins-base1.0-dev

2.2 Mesaドライバのビルドと更新
Raspberry Pi 5には新しいGPU(V3D 7.1)が搭載されており、Mesaドライバの更新が必要です。

手順
最新のMesaソースコードをGitHubから取得

git clone https://gitlab.freedesktop.org/mesa/mesa.git
cd mesa

必要なツールをインストール

sudo apt install -y meson ninja-build

Mesaをビルド

meson setup build –prefix=/usr -Dplatforms=x11 -Dgallium-drivers=v3d,kmsro -Dglx=dri
meson compile -C build
sudo meson install -C build

再起動して適用

sudo reboot

2.3 OBSのビルドとインストール
手順
OBSのソースコードをGitHubから取得

git clone –recursive https://github.com/obsproject/obs-studio.git
cd obs-studio

ビルドディレクトリを作成

mkdir build && cd build

CMakeを使ってビルド構成を設定

cmake -DUNIX_STRUCTURE=1 -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release ..

コンパイル

make -j$(nproc)
sudo make install

OBSを起動

obs

3. 主な課題とその解決方法
3.1 CMakeのバージョン不足

問題:OBSのビルドに必要なCMakeのバージョンが不足していました。

解決:以下の手順でCMakeを手動でアップグレードしました。

wget https://cmake.org/files/v3.28/cmake-3.28.0.tar.gz
tar -xvf cmake-3.28.0.tar.gz
cd cmake-3.28.0
./bootstrap && make -j$(nproc) && sudo make install

3.2 Mesaドライバの更新
問題:Raspberry Pi 5のGPU(V3D 7.1)に対応するMesaドライバが古いため、OBSの起動時にエラーが発生しました。
解決:Mesaの最新版をビルド・インストールして問題を解決しました。

3.3 vc4-kms-v3d オーバーレイのエラー
問題:dtoverlay=vc4-kms-v3d がRaspberry Pi 5ではサポートされておらず、起動時にエラーが発生しました。
解決:/boot/config.txt を編集し、以下をコメントアウトしました。

#dtoverlay=vc4-kms-v3d

4. 結果
これらの手順を経て、Raspberry Pi 5でOBSを正常に動作させることができました。YouTubeやTwitchなどでのストリーミングがスムーズに行えます。

5. 注意点
この記事で使用した手順は、Raspberry Pi 5の特性に依存しているため、他のモデルでは動作しない可能性があります。
必要に応じて、公式ドキュメントやフォーラムを確認してください。

まとめ
Raspberry Pi 5にOBSをインストールする過程では、GPUドライバや依存パッケージの問題など、多くの課題がありました。
しかし、適切な手順を踏むことで、ストリーミング環境を構築できました。この記事が同じ課題に取り組む方の助けになれば幸いです。
色々と調べた結果、Raspberry Pi 4であったハードウェアエンコーダーの実装はなく、高性能化したCPUによるソフトエンコーダー処理となりチューニングが必要なようです。

続.OBSの使い方

① OBSを起動し、映像ソースを追加

ソース → 映像キャプチャデバイス を選択

デバイス で接続したカメラを選択

解像度 や フレームレート を適宜調整

② 音声の追加(必要に応じて)

マイクを接続し、ソース → 音声入力キャプチャ を追加すれば、音声も記録できます。

③ 録画とストリーミングの設定

OBSの [設定] → [出力] で録画フォーマットや画質を調整し、録画を開始します。

ライブ動画例
・ソフトウェアエンコーダー:x264
・ビットレート10000kbps
・30fps
・解像度:1280☓720

 

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