2024年11月7日
はじめに
兼業で農業を行う方にとって、時間や手間をかけずに農業効率を上げることが重要です。そこで、低コストで導入可能なマイコンやセンサーを活用することで、モニタリングや管理の効率化ができます。今回は、スモールスタートで始められる機材とその活用方法を紹介します。
1. スモールスタートに適したマイコンとセンサーの選び方
マイコンは、センサーからのデータを処理し、必要に応じた動作をコントロールする中枢装置として機能します。まずはシンプルで扱いやすいモデルから始めるのが理想的です。
- おすすめのマイコン
- Arduino Uno:扱いやすく、農業に関するプロジェクトに最適。湿度センサーや温度センサーのデータを簡単に取得できます。
- ESP32:Wi-Fi接続ができるため、データをスマートフォンやクラウドに転送したい場合に便利です。
- 代表的なセンサー商品:
- 土壌湿度センサー (DHT11やDHT22):土壌水分を正確に測定し、作物に必要な水やりのタイミングを知らせます。例えば、「Capacitive Soil Moisture Sensor V1.2」は耐久性が高く、屋外使用にも向いています。
- 温湿度センサー (AM2302やBME280):ビニールハウスや温室の温度や湿度を管理します。DHT22は湿度精度が高く、農業での温度管理に特化しています。
- 光センサー (BH1750):日照量を測定し、必要に応じて影や照明の管理に利用します。
➡︎ これらのセンサーは、
SparkFunや
Adafruitで購入できます。
2. 必要な追加機材とその役割
システムをスムーズに運用するためには、マイコンやセンサーに加えて以下のような機材も必要です。
- ソーラーパネル:特に屋外の遠隔地で使用する際に、マイコンの電源確保に便利です。ソーラーパネルはAdafruitやSeeed Studioで手に入ります。
- バッテリー(18650型など):小型でありながらマイコンやセンサーに十分な電力を供給するバッテリー。ソーラーパネルと併用して、夜間や曇りの日でも電力を安定供給できます。
- ポンプや電動バルブ:土壌湿度センサーと連携させ、必要なときだけ水やりを行うためのポンプシステム。たとえば、「Peristaltic Liquid Pump with Silicone Tubing」などは小規模灌漑に適しています。
3. スマート灌漑システムを利用した小規模実験
土壌湿度センサーと電動バルブを組み合わせて、土壌が乾燥したときのみ自動で水やりを行うシステムを試験的に導入してみましょう。これにより、手動での水やりが不要になり、時間と水資源の節約が可能です。
4. 温湿度モニタリングで収穫の安定化
温湿度センサーを使って、日々の環境データを記録し、手動でモニタリングします。収集したデータをもとに、ビニールハウスや温室内の温度管理を行えば、作物にとって理想的な環境を簡単に保てます。
まとめ
このように、兼業農家でも簡単に導入できるマイコンとセンサーを活用することで、日々の管理を効率化できます。スモールスタートで少しずつ導入していくことで、低コストでリスクを抑えながら農業のデジタル化に踏み出せるでしょう。
続編:温度・湿度を計測しLINEで通知する
BME280について
- 注意したいのはBMP280といった湿度が計測できない物があるようなので気をつけましょう。
BME280の仕様についてはスイッチサイエンス社のWebに記載があります。(参考)
https://trac.switch-science.com/wiki/BME280#no1
- Raspberry PiとBME280(センサー)の接続、センサーからのデータ取得、グラフを描くまでは
こちらを参考にやることができました。
https://karaage.hatenadiary.jp/entry/2016/05/11/073000
https://karaage.hatenadiary.jp/entry/2017/05/25/073000
- 定期的に取ったグラフデータをLINE Notifyを使ってスマートフォンに転送することで遠隔確認
することができました。(私の使用方法です。)
「LINE Notify(ラインノティファイ)とは、LINEと外部のWebサービスやアプリを連携し、ユーザーがカスタマイズされた好みの情報を受け取ることができる機能。」
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NIAES-09S 改型強制通風筒の製作法